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増加する介護職の虐待。扱いにくい高齢者にいら立ってしまった時のヒント(2016年2月25日)
2016年2月上旬、2014年度の介護施設職員等による高齢者の虐待件数が、8年連続で過去最多との報道がありました。2012年度には155件だったものが、2年間で300件と倍近くに。これについて、新聞報道では、「介護職員の虐待急増」という大見出しが付けられました。そして、虐待の背景には、厳しい職場環境があるとの指摘もありました。
確かに、そういう側面もあると思います。しかし、別の視点から見ると、2006年に施行された高齢者虐待防止法が徐々に浸透。「高齢者の虐待」への意識が高まったため、とも言えそうです。つまり、それまで「虐待」とも思われていなかった行為が、「虐待」として認識されるようになったということです。
高齢者虐待防止法では、命に関わったり、身体に重大な危険が及ぶ虐待を目にした人に、市町村に通報する義務を課しています。また、命に関わるほどではなくても、虐待が疑われるケースを目にした人には、市町村に通報するよう努める義務(努力義務)が課せられています。これにより、「これは虐待では?」と気づくだけでなく、通報というアクションを起こす人が増えてきていることも、件数増加の背景にありそうです。
虐待が起きる原因は、介護職等の「教育・知識・介護技術等による問題」、「職員のストレスや感情コントロールの問題」にあるとされています。実際には、この両方が入り交じって起きている問題ではないかと思います。
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