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介護職の役割とは?地域包括ケアの時代に求められているものは…(2017年1月12日)
介護職の役割とは何でしょうか。要介護になった人に介護を提供することでしょうか。 本人が持っている能力を引き出し、その人なりの自立を支援することでしょうか。 どちらも間違いではありません。 しかし、どちらも介護職の役割すべてを言い表しているとは言えません。 介護職に求められるものは、「地域包括ケア」の時代となり、変わりつつあるのです。
「プロに任せればいい」と離れていく近隣住民たち
ある学会で、診療と並行して地域づくりに取り組む、地方在住のある医師が、「介護サービスの功罪」について指摘していました。 体が不自由になったり、認知症の症状が出たりしていても、近隣の住民に支えられながら何とか在宅生活を送っている高齢者はたくさんいます。 そうした高齢者にケアマネジャーが付き、デイサービスや訪問介護が導入されると、どうなるでしょうか。 近隣の住民たちがホッとして、「後はプロに任せればいい」「自分たちの出る幕ではない」と、手を引いてしまうのだそうです。 「介護サービスを利用するのも、善し悪しだと思う」とその医師は語っていました。
一方で、ある地方都市で互いに支え合えるまちづくりに取り組んでいるある介護事業者が、こんな話をしてくれたことがあります。 その町に、認知症を持ちながらも近隣住民に見守られて、一人暮らしをしていた女性がいました。 女性は徐々に認知症が進み、物盗られ妄想で近隣住民をなじったり、街角で住民をつかまえて1時間も繰り返しの話をしたりするようになりました。 近所の住民たちはそんな女性を支えるのに疲れて敬遠するようになり、女性は在宅での生活が難しくなりました。 自宅から離れたくないと言っていた女性ですが、やむなく、その介護事業者の運営するグループホームに入居することになりました。 そのとき、その事業者は近隣の住民たちのところに出向き、こんな話をしたのだそうです。
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