介護福祉士

License----介護の資格

介護福祉士の資格とは?

1987(昭和62)年に、「社会福祉士」とともに創設された介護実務系の国家資格。2008(平成20)年に資質向上のために資格取得制度が見直され、2013(平成25)年1月実施の試験から受験資格や受験科目が変更されることが決まりました。これにより資格取得のハードルが高くなります。受験資格をお持ちのかたは、2012(平成24)年1月実施の試験までに受験されることをお勧めします。

取得するには?

2013年1月試験から制度変更があるので要注意

例年1月後半に実施される介護福祉士国家試験に合格すれば取得できます。国家資格だけあって、ホームヘルパー2級など介護実務系の公的資格と比べると、一定水準以上の介護の知識と技術を持っていると見なされ、評価されやすい資格です。取得するためには、介護実務の知識はもちろん、社会福祉、リハビリテーションや医学などの周辺分野の知識を問う筆記試験と、介護技術のレベルを見る実技試験あるいは実技の講習会受講が課せられます。

試験科目は、2011(平成23)年度試験(平成24年1月実施)までは、「社会福祉概論」「医学一般」「老人福祉論」「介護技術」など13科目120問ですが、2012(平成24)年度試験(2013年1月実施予定)からは「人間と社会」「介護」「こころとからだのしくみ」という3領域11科目に再編されます。出題基準は、社会福祉振興・試験センターのサイトをご覧ください。

資格取得には3つのルートがあります。2008(平成20)年に制度変更がありました。

◆養成施設ルート: 2009(平成21)年度入学者から、養成時間がそれまでの1650時間から1800時間に増えています。4年制養成施設(大学等)では2009(平成21)年度入学者から、また2年制養成施設(専門学校等)では2010(平成22)年度入学者から、介護福祉士資格を取得するには、卒業後の国家試験受験が課せられることになりました。

これまで介護福祉士は養成施設を卒業すれば無試験で資格を取得できていましたが、社会福祉士など他の国家資格にはみな国家試験受験が課せられています。他の資格とのバランスを取り、国家資格としての水準を確保するために、介護福祉士資格取得全ルートで国家試験受験必須と制度変更されました。

これから介護福祉士の養成施設で資格取得を考えているかたは、2010(平成22)年度に2年制養成施設入学が無試験で資格取得できる最後のチャンスです。

◆福祉系高校ルート: 原則として、養成時間は養成施設と同じ1800時間となりました。このルートは以前から、卒業後に国家試験受験が課せられており、その点に変更はありません。ただ、2009(平成21)年度入学者から養成時間を1800時間とした高校のほか、養成時間をこれまで同様の1190時間とする代わりに9ヶ月の実務経験を積んでから国家試験を受験するという高校(2013(平成25)年度入学者までの時限措置)も残っています。

◆実務経験ルート: 3年以上(従業期間1095日以上で従業日数540日以上)の実務経験 (資格不問。無資格もOK)と、それに加えて600時間程度の養成研修修了が介護福祉士国家試験の受験資格となっています。実務経験を積みながら600時間の研修を受けてもかまいません。

2009(平成21)年2月以降に介護の仕事を始めたかたは、最短でも3年の実務経験を積むのに2012(平成24)年1月末までかかるため、旧制度最後の試験2011(平成23)年度試験(2012年1月23日頃実施)は受験できません。最短の試験受験が2012(平成24)年度試験(2013年1月実施予定)になるため、新しい制度が適用されます。実務経験だけでなく研修修了が必要になりますので、ご注意ください。

どこが主催?

問い合わせは「社会福祉振興・試験センター」へ

厚生労働省から委託された「社会福祉振興・試験センター」が、申込手続きや受験資格等についての情報提供を行っています。電話での問い合わせにも応じてくれるので、特に実務経験など受験資格について不明な点があるかたは、ぜひ下記に問い合わせてください。介護の職場でも、実務経験と認められない場合もあるので要注意です。

財団法人社会福祉振興・試験センター

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-5-6
試験案内専用電話 03-3486-7559(音声及びFAX案内、24時間対応)
試験室電話 03-3486-7521(9時~17時)
※電話をかけるときは、番号のお間違いがないようにご注意ください。

資格を取る意味は?

介護福祉士は就職、転職、給与面で有利

介護保険の制度上、介護施設の介護職員に資格は求められていません。ですから、介護施設では無資格者もホームヘルパー2級修了者も介護福祉士も一緒に介護職員として働いています。実は、資格による仕事内容の違いはそれほどありません。では、資格を取る意味はどこにあるのか、と思うかたもいるでしょう。

資格によって、一番大きく違いが出るのは雇用形態です。無資格のかたや経験の少ないホームヘルパー2級のかたの場合、最初は非常勤職員として雇用されるのが一般的。これに対して介護福祉士は、最初から正職員で雇用される場合もあります。そもそも、就職活動自体、無資格者と介護福祉士有資格者では、採用の可能性に大きな開きがあります。

特に2009(平成21)年4月の介護保険法改正で、介護福祉士有資格者を一定割合以上雇用している事業者は介護報酬が加算されるという改正があったため、介護福祉士有資格者の採用ニーズが高まっています。

また事業所によっては資格手当を月額3000~8000円程度支給するなど、給与面で差を付けている事業所もあります。

実務経験を積んで介護福祉士の資格を取得したかたに、資格を取得して何がよかったかを尋ねると、体系だった勉強をして資格を取得したことで、自分の提供している介護に自信が持てるようになったのがよかった、という回答をよく聞きます。

自分なりに介護実務の経験を積み、それを理論で裏打ちすることで、提供している介護の意味、なぜこのやり方がよいのか、といったことがよくわかったという話も耳にします。

厚生労働省はゆくゆくは介護職は全員介護福祉士にしたい、という構想を持っています。これから長く介護業界で活躍したいかたは、ぜひ介護福祉士資格の取得を検討してみてください。