社会福祉士

License----介護の資格

社会福祉士の資格とは?

1987(昭和62)年に、「介護福祉士」とともに創設された相談援助職の国家資格。2008(平成20)年、資質向上のために資格取得制度が見直され、2009(平成21)年度の試験(2010年1月実施)から受験科目が変更になります。

取得するには?

2010年1月試験から科目が変更になるので要注意

例年1月後半に実施される社会福祉士の国家試験に合格すれば取得できます。2009(平成21)年度(2010年1月実施)の試験から試験科目が、「現代社会と福祉」「低所得者に対する支援と生活保護制度」「権利擁護と成年後見制度」「高齢者に対する支援と介護保険制度」「相談援助の理論と方法」など19科目に変更になります。科目数は13科目から大きく増えましたが、総問題数はこれまで通り150問。60%程度の正答率で合格となります。

社会福祉士国家試験の受験資格取得ルートは3つあります。
①福祉系大学等で指定科目を履修する
②養成施設で1年以上(養成時間1200時間)学ぶ
③児童福祉司等相談援助の実務経験を4年以上積んだうえに養成施設で6ヶ月以上(養成時間600時間程度)学ぶ
3つのルートのいずれかで受験資格を得たうえで、国家試験に臨みます。

どこが主催?

問い合わせは「社会福祉振興・試験センター」へ

厚生労働省から委託された「社会福祉振興・試験センター」が、申込手続きや受験資格等についての情報提供を行っています。電話での問い合わせにも応じてくれるので、特に実務経験など受験資格について不明な点があるかたは、ぜひ下記に問い合わせてください。どの職場のどのような仕事であれば、実務経験と認められるかなども確認できます。

財団法人社会福祉振興・試験センター

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-5-6
試験案内専用電話 03-3486-7559(音声及びFAX案内、24時間対応)
試験室電話 03-3486-7521(9時~17時)
※電話をかけるときは、番号のお間違いがないようにご注意ください。

どんな仕事ができる?

児童、高齢者、行政など幅広い分野で相談援助職として活躍

社会福祉士は相談援助の仕事に就くかたの資格。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス等、介護施設の相談員のほか、病院の医療ソーシャルワーカー、障害者施設や児童福祉施設の指導員、社会福祉協議会の職員、行政の福祉職など、様々な職場で活躍できます。

また、地域包括支援センターには原則として社会福祉士が1名以上配置されることになりましたし、刑務所に社会福祉士を配置し、受刑者の社会復帰を出所前から支援する体制を整えるという試みも始まったよう。社会福祉士の活躍の場はこれからも広がっていきそうです。

資格を取る意味は?

どうしても相談援助職での就職、転職を望むならぜひ取得を

前述のように、社会福祉士は幅広い分野で活躍できますが、社会福祉士の資格を持っていないとできない「業務独占」の資格(弁護士や医師などが「業務独占」)ではありません。

たとえば、社会福祉士同様、施設等の相談員などに求められる資格として、「社会福祉主事任用資格(以下、社会福祉主事)」があります。社会福祉主事は大学で指定の4科目を履修するか、1年半程度の研修を受講すれば取得できますが、社会福祉士は大卒後1年以上、あるいは福祉系大学で4年学ぶなどにより受験資格を得て国家試験を受験し、取得します。取得の難易度には大きな差がありますし、社会福祉と周辺分野についての知識量等には相当の開きがあると思います。しかし、取得後に担う仕事には大きな差がないのが実態です。

では、なぜ社会福祉士の資格を取得する必要があるのかといえば、就職、転職の際に有利だから。特に、高齢者の介護施設等の相談員を希望している場合。施設の規模にもよりますが、社会福祉士が担う相談員の配置は1施設に1~3人程度です。相談員に欠員が出ても、施設内の介護職員等が社会福祉主事や社会福祉士を取得して就任することが多いため、求人数は介護職ほど多くありません。

どうしても相談援助職での就職、転職を目指すのであれば、少ない求人を勝ち抜くために、豊富な実務経験や社会福祉士資格など、アピールできるものが必要です。その両方があれば、かなりアピール度は高くなるでしょう。

しかし、社会福祉士は取得したらそれでよし、という資格ではありません。相談員等の求人を見ると「新卒不可」の資格要件の多さが目に付きます。社会福祉士は実務経験を積み、知識、人脈、情報量、情報収集能力、人間関係調整能力、コミュニケーション力など、さまざまな「力」を身につけていって初めて、相談援助職として十分な仕事ができるようになります。「資格を取ったときがスタート」と言われる社会福祉士。常に学び続ける姿勢が不可欠です。